こうちゃんはあたしを家まで送ってくれた。
「じゃ、明日学校でな」
家の前で繋いでいた手を離しこうちゃんは言った。
「うん…って、こうちゃん今どこに住んでるの?」
昔こうちゃんちだった家は数年前から老夫婦が住んでいる。
「ばあちゃんちはこっちで隣町だから、バスで10分ぐらいんとこ」
そっか。
こうちゃんの両親は元々こっちの人だから…
って事は…
「一人でこっちに来たの!?」
「ん。まぁそういう事」
「向こうで学校は!?」
高校に入学してすぐ転校したって事になる…よね?
「はいはい、続きはまた明日な!早く飯食って寝る!」
こうちゃんはあたしの頭をポンポンしながら言う。
「…むぅ」
こうちゃんはクスッと笑って帰って行った。

