そしてあたしの両手がこうちゃんの大きい手に包まれた。
「オレさ、何度も真琴に言おうとしたんだ。でもお前、全然覚えてないし悔しくてさ。名前でもわかんなかったんだろ?」
「ごめん…こうちゃんは“こうちゃん”だったから…」
「でも、その内気付くだろって思ってたら真琴に告白されてさ。本当はすげぇ嬉しかった。だから別にお前が今のオレを好きだって言ってくれてるならそれでいいって思ったけど……迷った。」
あたしは真剣な瞳で見つめて話すこうちゃんの言葉に頷いた。
「相沢に怒られたよ。お前を傷つけるなって…好きじゃないなら期待させるなって…」
「紗都が…?」
「あの女達に「傷つけるな」なんて言って、真琴を傷つけていたのはオレだって気付いたよ。バカだな、オレ…」
あたしは首をフルフル横に振った。
「違う。バカなのはあたし。こうちゃんにあんな悲しい瞳させちゃったんだもん…ごめんね…」
“そんな瞳にさせてるのはマコなんじゃない?”
紗都…
アルバムわざと置きっぱなしにしたんだね…
ありがと…
紗都。

