「そうだな…」
こうちゃんは顎に手を添え、上を向いて考え出した。
「あ。お前、家の前でボールで遊んでた時、向かいのじぃさんちの鳥籠にボールを当てて鳥を逃がした事あったろ」
「ボール…?鳥…?」
あぁ…
あったかも。
あたしがボールを強く地面に打ちつけたら思ったより勢いよく弾んで…
外に吊してあった鳥籠に当てたちゃったんだ。
「あった…」
「お前サッサと一人で逃げやがって…あの後オレがじぃさんにめちゃくちゃ怒られたんだからなっ!」
「えっ!?」
そうだったの…?
全然知らなかったよ…
あの後もこうちゃん何も言わなかったし。
「ごめん…こうちゃん」
庇ってくれたんだ。
こうちゃん
小さい時から優しかったもんね…

