あたしはゆっくりと展望台まで歩いた。 約束したのは夏。 でも今は夏ももう終わり。 展望台には誰一人いなかった。 「今更だよね……」 こうちゃんは夏の間ここであたしを待っていてくれたんだろうか? あたしの事を覚えてくれていて、ずっと1人で待ってくれてたんだろうか? あたし…、 どうしたらいいのかな… 展望台から見える街は雨上がりのせいか、オレンジ色の光に反射してキラキラしている。 会いたいよ… こうちゃん… 会いたい……