ガタンッ!



「………。」



突然一ノ瀬君が立ち上がったから、みんなビックリして教室の中が静まり返った。







何事かと隣の席を見ると一ノ瀬君と目が合った。



「学校案内は…君がしてくれる?ア・ン・ザ・イ・さん?」



“さん”のところで可愛らしく首を傾げながらにっこり微笑む。


そして驚く周りの女の子達の視線。



はいぃ?


あ…あたしっスか?



何で?



訳が判らず目をキョロキョロしていると、一ノ瀬君が女の子達をかき分けてあたしの手を取った。



「ちょっ…何であたしっ…」



手を振り払おうとしたけど、一ノ瀬君はギュッとあたしの手を握りしめて離さない。


そしてそのまま教室から連れ出された。



「え~!?」


「何でぇ!?」



教室の中から女の子達の騒ぐ声が聞こえた。