“こうちゃん”


あたしはこの男の子の事をそう呼んでいた。



こうちゃんはあたしの家の隣に住んでいた同い年の男の子。


本当に小さい、よちよち歩きの時からずっと一緒にいて毎日のように遊んでいた。



「こう…ちゃん…」



あたしは急いで他のアルバムを引っ張り出し夢中で捲った。



次々に溢れてくる涙が視界を歪ませているけどそのまま、ただひたすらページを捲った。




そして…


ベソかいたあたしの隣で笑顔で子犬のナナを抱いているこうちゃんの写真。



「これ…」



そうだった…



ナナは子犬の時捨てられているのをあたしとこうちゃんで拾ったんだ…