『………。』
話って何かな…
学校を出てからしばらく経つのに一ノ瀬君は何も話さなかった。
お互い無言のまま、初めて一ノ瀬君と会った公園に差し掛かった時。
「真琴!来てっ!」
一ノ瀬君があたしの手を握って公園の中に入り、滑り台の前まで連れて来た。
「どうしたの?」
状況が掴めず尋ねるあたしに一ノ瀬君はニッと笑った。
「雨宿り」
雨宿り!?
滑り台は象の形をしていて、滑る部分が象の鼻で、お腹の部分がトンネルになっている。
まさか。
このトンネルで!?
トンネルは入れない大きさではないけど決して広くはなく、その上薄暗い。

