「あ―…明日から学校かぁ…。夏ももう終わっちゃうね…ナナ」 夏休み最後の日。 夕焼け色に染まる街を、愛犬のナナに話しかけながら歩いている。 でもナナはあたしの声に耳を貸すことなく、まっすぐ前を向いたままトットコトットコと軽快に歩く。 って…犬だから当たり前なんだけど… 見上げる空は一面茜色で、カナカナカナ…と鳴くヒグラシの声が夏が終わる寂しさを感じさせる。