十分過ぎるほど、わかっている。
それは、紛れもない真実。
でも、
面と向かって言われると(しかも好きな人に)、やっぱり凹む。
「俺はエリカのこと、ちゃんと見てるし。
お前は努力してる。
毎日毎日、化粧ガッツリして。
その『付け睫毛』?
相当めんどくせぇだろ?
そして巧いよな、職人技だな。
あそこにいるブタさんなんか、そんな器用なこと絶対無理だしね。
多分、それ睫毛? 眉毛? どっち? ってなるよな」
田所が向かっている先がわからない。
それでも、その行き先不明トークは、私とエリカ先輩を置いてきぼりにしたまま続いた。
「お前、俺んち泊まった時とかも、化粧絶対落とさねぇのな。
プロ意識っていうの?
『私は綺麗です』みたいな?
ほんと、すげぇよな、尊敬する」



