「お前さぁ、何がそんなに気に入らねぇんだよ?」
フードコートの一席に、向かい合うように腰掛けるなり、田所が口を開いた。
テーブルにはカップのカフェオレが二つ。
ささっているストローを右手で弄びながら、ふて腐れた顔で田所を睨み付けた。
何て答えればいい?
田所が一緒に居てくれないから、なんて、言えるはずがない。
私は田所の彼女ではないのだから。
黙ったままでいると、田所はさらに続けた。
「気に入らないことあるんなら、はっきり言えよ」
「だって、ムカつくんだもん。
田所、みぃたんにすごく感じ良い。
田所ってそんなキャラだったっけ?」
「なにそれ。やきもち?
『そんなキャラ』ってどんなキャラだよ?
お前の言いたいこと、全然わかんねぇ」
田所はなんとも表現しがたい程の呆れ顔でそう言った。



