わたしとあなたのありのまま



 わざわざ電車で移動して、隣町に新しく出来たゲームセンターへ行くのだそうだ。
 ぶっちゃけ、面倒くさい。

 田所には、みぃたんがピッタリと貼りついていて、私は二人の後姿を遠目に眺めながら、一人、トボトボと皆についていく。

 何のために来たのか。
 私、この場に必要? などなど。
 不満で気持ちが破裂しそうだ。


 そんな私を気遣ってか、てるやくんが私の隣に並び、声を掛けてくれた。

「あのバカ、何やってんだよ?」

 田所とみぃたんの後姿に向かって、苦々しく毒を吐いた。


「何って……」

 どう応えて良いかわからず、言葉が詰まってしまった。

「殴ってきてやろうか?」

 そう言って、てるやくんは私の顔を覗き込んで、悪戯っ子のような笑みを見せる。

 そらもう、殴ってやりたい、是非私がっ!
 けれど、田所が誰と一緒にいようと、私がとやかく言う筋合いはないわけで。

「どうして? 
 てか、てるやくん逆に返り討ちに合いそう」

 などと冗談ぽく言って、ごまかした。