わたしとあなたのありのまま

 ほんの少し遅れて戻ると、田所はソファーの端っこに大人しく座っていた。
 目がショボショボしていて、今にも閉じてしまいそうだ。

 今度は『おねむ』かよ、と大きなため息が思わずこぼれた。


 再び綾子の隣に腰を下ろして、「ごめん、遅くなっちゃって」と謝ると、「ほのか、大丈夫?」と綾子は心配そうに問う。

 急にさっき感じた得体の知れない恐怖が蘇った。
 綾子の手をギュッと握り、

「田所……酔ってて。
 なんか怖い」

 この不安を打ち明けた。

「うん。
 ほんとアホだな、あいつ。
 大丈夫だから。
 今日は私と帰ろ」

 そう言って、綾子は私の手を握り返してくれた。