わたしとあなたのありのまま

 と、正面数メートル先に、誰かが立っていることに気付いた。

 てるやくんだった。
 棒立ちで呆れたような冷ややかな視線をこちらに向けている。


「お前ら何やってんの?」

 ため息交じりにそう言いながらこちらへゆっくり歩いて来て、田所の首根っこを乱暴に掴むと、

「おい、幹事。
 サボってないで、俺らのために働け」

 私から引き剥がして、店の入り口へ向かって強制連行。
 シャツのボタンは全部外れたまま、胸腹部全開の田所は、

「もう十分盛り上げてやっただろうが。
 いい加減、俺ばっかに頼んなよ」

 などと文句をたれながらも、てるやくんと一緒に店の中へと消えた。

 助かった。
 本気でてるやくんに感謝した。