わたしとあなたのありのまま



「てるやとあんま、しゃべんなよ」

 ようやく口を開いたかと思えば、言われのない苦情。

「向こうから話しかけてきたんだし。
 無視しろって?」

「あと山田とも。
 お前が男としゃべってんの見ると、
 イラっとする」

 会話のキャッチボールが成立しない。
 やっぱこの田所、おかしい、普通じゃない。
 頬はほんのり赤いし、眼はトロンとしているし。


「田所、酔ってるの?」

 それ以外に考えられない。

「酔ってねぇよ」

「酔ってるやつほど、『酔ってねぇ』って言うんだよ?」

「へ? 意味わかんねぇ。
 ブタ語じゃなくて人間語でしゃべれって」