わたしとあなたのありのまま



 田所の仲間たちは、チラリと私たちに視線を寄越しただけで、足を止めることなく通り過ぎて行った。
 けれど、一人だけ、田所の隣に残った。

 少し長めの、緩くウェーブのかかった茶髪。
 背は田所より少し低いぐらいで、細身。

 なんていうか、中性的な顔立ち。
 男くさくない。
 田所と違って。


 何故だか彼は、綾子をジッと見詰めている。
 そんな彼に、綾子が露骨に顔をしかめた。

 気まずいので、そんな二人には気付かない振りをした。


 不意に、柑橘系の香りがフワリと私の鼻をかすめた。
 思わず、背伸びをして田所の首筋に自分の鼻を近づけた。

 田所が香水でも付けているのかと思ったから。
 何、色気づいてんの? って腹が立ったから。