「ゆきさん、こんにちは。
うちのブタちゃんが、迷惑かけてすみません」
涼しい声で挨拶する田所の後ろ姿を、ブウたれながら見詰めた。
ドアを閉めると振り返り、田所は私を冷ややかに見下ろして、
「てめ、ふざけんなよ」
言って私の額を軽く小突いた。
私とすれ違って田所は部屋の奥へと向かう。
そんな田所を目で追いながら、身体を回転させた。
田所は窓際のベッドまで行くと、こちらを向き直ってその端にトスンと腰掛けた。
もの言いたげな、ふて腐れた顔で一旦私を見てから、少し前かがみになり両腕を膝に引っ掛け、そうして、大きく溜め息をつきながら俯いた。
「ほのかちゃん、何か用?
俺、今独りでいたいんだよね、さっさと用件言って帰ってくれる?」
俯いたまま、田所はそう言った。



