田所を置き去りにして先に教室へ戻ったと思っていた、田所の愉快な仲間たちは、体育館を出たところで待っていたらしく、 開け放たれた体育館出口にその姿を覗かせた。 「おい、悠斗?」 などと、呼び止める声が聞こえる。 田所は立ち止まることなく振り返ると、無理矢理に微笑んで、 「体調悪いから、帰るわ」 と、力なく右手を上げ、そうしてまた背を向けた。 小さくなった田所の後姿に、 涙が溢れて。 せめて、田所のその苦しみを、半分だけでも分けてもらえたらいいのに。 そう思った。