わたしとあなたのありのまま

 私は、最後に言葉を放った男子に背後から掴み掛かって、

「そんなわけないじゃん!
 誰よ? そんな根も葉もない噂流してるやつ。
 許さないから。
 その張本人突き止めて、ぶっ飛ばしてやる」

 無我夢中で叫んでいた。


「放せよブス!」

 言って、振り向きざま、その男子は私を薙ぎ倒した。
 男子と女子の力の差など歴然。

 私は体育館の床に叩きつけられ、どうしようもない敗北感に唇を噛み締めた。

 張本人を見つけ出してぶっ飛ばすなんて、女の私には所詮無理な話。
 そう思ったら余計に悔しくて、私の意に反して視界が滲んだ。


 田所はそんな私を軽々と抱き起こして、向かい合うようにして立ち、

「それが、根も葉もあるんだよな」

 またあの、今にも泣出しきそうな笑顔で、呟くようにそう言った。