わたしとあなたのありのまま



 田所は、エリカ先輩に別れ話を切り出したんだ。
 しかも私の名を出して?

 そんなこと、まるで信じられないけれど、でも、
 とても嬉しかった。


「私のことなんか、言わなきゃ良かったじゃん。
 余計にこじれてんじゃん」

 そう言うと、田所は私を真っ直ぐ見詰め、

「エリカと別れたら……
 お前と堂々と付き合いたかったんだよ」

 と、何でもないことのように、サラリと言った。


 みるみる顔が熱くなり、心音も爆音で鳴り響いて、全身がスピーカーにでもなったような錯覚に陥った。
 もうこれ以上、田所の視線を受け止め続けるなんて、とてもじゃないけど、無理だと思った。