わたしとあなたのありのまま





翌日、待てども待てども、田所は携帯を返しに来ない。ま、予想通りですけど。


携帯返すぐらい、10分の休み時間でも十分なのに。

あ、でも、田所は私が何組か知らないか。そうだよね、知っているわけがない。



山田に田所のクラスを聞き出し、自ら出向くことにした。




最悪だ。
 

田所は男子率95%の理系クラス、2年7組でした。理系クラスがある北校舎は、男ウヨウヨ、女子なんかほとんどいない。

文系の女子が廊下を歩こうものなら、例外なく、彼らの視線はその女子に集中する。それが例え、私みたいなさえない平凡女子であろうとも。



「ほのかちゃん、視線が痛いね」

「うん、そうだね、綾子ちゃん」


二人して泣きそうになりながら、ようやく7組に辿り着いた。