わたしとあなたのありのまま

「山田、今の男子と知り合い?」

弾かれたように跳ね起きて、まじまじと山田を見詰めて問う。


「知り合いっつーか、同中(オナチュウ)?」

「何故そこ疑問形?」

無駄に語尾を上げる山田にイラっとくる。


「なにお前? 惚れたの? 無理だって、さっきの見ただろ? あいつの彼女、3年のエリカ先輩。あの美しさは、罪だね」

門を出た二人の後姿をうっとり眺めながら、山田は言った。



「別に私は、あの人とどうこうなろうとか思ってないしっ」

「それにあいつ……」

おい山田、私の話聞けよ。



「あいつの本性知ったらお前、多分引くよ?」


また疑問形、ムカつく。