「ああ、あんた起きてたんだ。」
「あの…、貴方は…。」
無造作に跳ねていて、赤のメッシュの入った短めの黒い髪、キレのある赤く鋭い目。そして少し筋肉質な逞しい身体。
見るからに王子様のような彼は目を細め、私を小馬鹿にするように鼻で笑った。
「…あんた、男に囲まれてそんなに嬉しい?バッカじゃねーの…?」
「バッ…!?」
何、この人……!!
初対面の人に馬鹿って…!!
それだけ言うと男の子は部屋から出て行った。
あのイケメン性悪男ッ……!!
この部屋は保健室らしく、薬品の臭いが鼻をくすぐった。
私は先生が居ないのを確認し保健室を出て、教室に向かった。
