私はいつも、誰よりも早く学校に来る。
誰も居ない学校が好きだったから。
でも
今は、早く君に来てほしいと思っている自分が居る。
「(単純だなぁ、私って)」
自分の席を立ち隣の席の青井君の机を撫でる。
「……早くおいで」
誰も居ない教室に私の声がこだまする。何やってんだか、と自重気味に笑う。
ガラッ、と教室の扉が開いた。
ビクリ、としてからすぐさま青井くんの席から手を退ける。
「おー、やっぱ今日もはえーな!おはよう、花!」
扉の方に視線を送れば私の大好きな彼、青井君がいた。
「お、おはよう青井君…」