幼なじみ

「思ってる。
 あたしだって…。」

「結衣がアイツにとられそうで。
 アイツの方に行きそうで。
 毎日不安でたまんねぇ。」



悠仁。



気付いてあげられなくてごめんね。



「もうどうしたらいいか
 分かんねぇ。」



ぎゅ



「結衣…?」

「あたしも不安だった。
 アイツに…されるんじゃ
 ないかって。
 でも結局されたよね。
 あたしが…ちゃんと
 拒否しないから。」

「…。」

「でもほんとに怖かった。
 声も出なかった。
 あたしだって不安だよっ。」



クラスの子はみんな
悠仁を見てる。



とられるんじゃないかって。



あたしを捨てるんじゃないかって。



「ごめん。
 結衣の気持ち考えて
 なかったな。
 ごめんな?」

「悠仁っ。」

「ちゃんと守って
 いけんのかな…。」



悠仁の弱音。



不安にさせてごめんね?


あたしは心の底から
謝った。



でも…。



神様はこんなことで
許してはくれなかった。