恋するマッシュルーム


「毒キノコ様、昨日はありがとうございました。」



不服だが、私の精一杯の感謝の意を表す。



『あんだと?コラ。』



ヒィィー!


そんな猛毒ヘビみたいな目で睨まないで!



「…コーヘー様、ありがとうございました。すいませんでした。」



チッ、こんな言い方不本意だけど!


ペコペコする自分に腹が立つんだけど!!


しかし…、今は仕方がない。


だって昨日の痴態が分からないから。


コーヘーの言う所の私がやっちまった痴態が想像出来ないから。


仕方なくペコちゃん人形のようにペコペコとお辞儀を繰り返してみる。



『分かりゃあ良いんだよ、分かりゃあよ。で?昨日の事は思い出したのか?』



ええ、ええ、思い出しましたとも、コーヘーに担がれてココに来る前までの事はね!


しかし、コーヘーの家に来てからの事が全く思い出せないのだ。


そっちの方が余程恐ろしい気がする。