恋するマッシュルーム


『お前、昨日オレにあんだけ痴態を晒しといて、良くそんな大口叩けたな?』



ぐっ…。


痴態……、


チタイ…


私は、やっぱり痴態を晒してしまったのだろうか…


こんな毒キノコの前で。


そう思うと、急に不安が押し寄せて来て、強気な態度が影を潜める。


それでも何か言い返さなきゃと思っていると、


私のバックの中の携帯が鳴った。



キノコノコノコゲンキノコエリンギマイタケブナシメジ…♪♪♪



キノコの着メロだ。


その着メロを聞いて更に眉間のシワを深くするコーヘー。



『オマエの携帯へし折るぞ。』



ギャー!!!


キノコ着メロにご立腹の様子の毒キノコ。


本気でやりかねないコーヘーの毒々しい雰囲気に、急いで携帯を取り出すと、部屋を出て再びさっきのバスルームへと逃げ込んだ。