2人の早さは、確実に大幅な世界レコード更新の期待をさせ、世界中の人々が彼らの走りに注目をしていた。


トラックを運転する男は・・・・・ラジオから。


空を駆ける飛ぶ鳥は、上から。



街で彷徨う子猫は、人々の隙間から。


すべての生き物は、目を離せなかった。


二人とともに"世界平和" と書かれたプラカードを持って走る男は、何かを叫んでいる。


「イけぇぇー!」


「ガンバレ〜!!」



路上の人々は声を荒げ応援した。



一生懸命に前を向いて走る彼らの姿は、表現する事はできないような"光"を放っていた。


人々はその"光"を応援していたのかもしれない。


その姿は人々の心に響いて止まなかった。



皆が応援しているのは・・・・・このまま、二人が一位・二位でゴールをする事ではなく、その瞬間、瞬間にあったのかもしれない。