勇矢くんが話さなくなって 2週間目の朝。 私は誰かがすすり泣くような 声で起きたのだった。 「勇矢…勇矢…」 まさかと思った。 カーテンの隙間から見えた 勇矢くんは寝ていた。 いなくなった。 勇矢くんは、206号室から いなくなったのだった。 私は布団に隠れて泣いた。 涙が枯れるまで。 好きでした。 勇矢くん、大好きでした。