思い出は消えない

「…萩夜。」

私は治療室に入った。

「萩夜?聞こえてる?」

萩夜はうっすら目を開けた。

「宇宙の本、みよっか!」

私は、萩夜の前では

笑っていた。

「真嬉、この星好きだな。」

(萩夜はどの星が1番好きなんだろう。聞いてなかったな。)

私はそう思いながら

萩夜に本を見せ続けた。