思い出は消えない

「はぁはぁ…はぁ、ゴホゴホッゴホッ!」

萩夜の発作は

治まる気配がなかった。

それどころか、

大きくなるばかりだ。

「萩夜!しっかりしてよ!真嬉のこと、置いて行ったりしないって言ったよね!」

その時、萩夜は私の手を

今自分にある精一杯の力で握った。