「今更、友達だの何だの言ってられねぇ。 人間も悪魔も天使も動物も‥ 地球上のあらゆる生物は、所詮自分が可愛くて、どんなに親しい相手でも自分が良ければそれで良い。 だから、俺はユーリの事よりも、俺自身が一番大切だ」 俺は空を見つめながら言った。 視界には無機質な天井ぐらいしか見えない。 ふ、と。 俺は安宮知香を視界に入れた。 「‥‥‥お前が泣くな」 「だっ‥‥てっ‥」 「俺が泣かしたみてぇだし、俺が寂しい奴みてぇじゃねぇか」