「ハルク!?」


「大声出すんじゃねぇよ」



俺は飛び起きて大声を出した女の口を塞いで押し倒した。



「この状況が分かるか?」



女は首を横に振る。
少し涙目になってるが、そんなもん気にしない。



「ここは魔界だ。
そして俺の自室」



俺は女の上からどいて、口を自由にさせた。



「何でこんなとこに‥‥‥」


「気まぐれ。
魔王との約束まで、あと二日ある。
それまでの暇潰しだ」


「約束?」


「一々、ウルセェ口だな。
密閉しなきゃいけなくなるぜ」