─天界─



チク‥タク‥チク‥タク‥



時計の音が鼓膜を揺さぶる。

淡い光の中、俺はパラパラと書物をめくっていた。



「やぁ、ユーリ」


「っ!?」



集中し過ぎていた為か、背後に気付かなかった。

急いで振り向くと、そこには意外な人物がいた。



「‥ラジエル様‥!」


「君が帰って来ていると聞いてね。
ちょっと顔を見に来たんだ」



優しい眼差しで俺を見つめる男。

俺を天界に誘い、力を付けてくれた俺の師匠『ラジエル』様。