知香の気持ち‥
俺は、ふと知香の顔を思い浮かべた。
アイツは‥俺をどんな目で見ているんだろう。
近くにいても、知香の目が怖くて、俺は知香の目をちゃんと見ていなかったのかもしれない。
「‥さて、俺も体を動かしてスッキリした。
そろそろ帰るか？」
「‥あぁ、そうだな」
俺とユーリは、疲れ切った体に鞭を打ちながら、足を進ませた。
ふと‥俺自身について考えてみた。
獣人の力について‥
「‥なぁ‥ユーリ」
「どうした？」
「‥今度、獣人の封印を解いてくれないか？」
ユーリは足を止めた。
‥俺は、真っ直ぐにユーリを見つめた。
