「‥‥そうだな。
さ、後少しだ」


「あぁ」



魔族になりたかった理由。
それは、私達が行く場所にあるのかな‥

私は段々、ハルクという人物に興味が湧いてきた。


最初はただ、〝恐怖〟というだけの存在。

でも、今は何だか怖いという気持ちは薄れてきている。


私はその時、気付いていなかった。


ユーリの瞳が、とても遠いところを見ているのを。