──── ── 「游人様、15歳おめでとうございます」 そう言って朝っぱらから頭を下げるのは、家に仕えている水谷。 「ん、ありがと…」 ソワソワ 「游人様……」 ソワソワ 「ん?」 「颯人様はそろそろ帰ってらっしゃいますよ」 「…っ!べ、別に颯兄なんて待ってないし」 「游人様…っ」 「…なんだその生暖かい目は」 「いえ。…あ、」 「なに?」 「待ち人が来たようですね」 「え」 大きな扉が開く