「まったくお前ら…兄弟揃ってこんな美人を振るなんて……」
「そ、そうですよ!私もうこんな歳で……」
「あ、じゃあ水谷とかどうです?」
「はい!?」
急に話を振られた水谷はテンパっている。
「ほら、水谷ももう35歳だしさ。ちょうどいいじゃん」
「ちょうどいいって……私は生涯この家に仕えると決めているのです」
「誰も辞めろとは言ってないよ。ちょっと英理さんとあれやこれやしてくれればいいだけ」
「あれやこれやって……游人様、そういうことは英理様に失礼でしょう」
「ごめんごめん」
「…ステキ……」
「は?」
「素敵です水谷さんっ!私そんな風に言われたの初めて。今度お食事でも如何ですか?!」
「あ、あの……游人様何とかして下さ…って居ない!?」
其処に游人の姿は無く、勿論綾菜の姿も無かった。
「はあ……」
きっと大天使様の溜め息は尽きることが無いでしょう。


