「いいじゃない、颯人。あたしも久しぶりに游くんに会えて嬉しいし!」
「ほー…美咲、お前そんなこと言うんか」
「へっ!?や、あのですね…颯人……」
「戻ったら覚えとけや」
また始まった。
ホントに颯兄はみさ姉を溺愛してんだから。
昔っからこうで…まあ、良いんだけど。あれ、ごめんやっぱちょっと引いたっていうか僕の前でキスするのは止めて頂きたい。
「游人様、そろそろお時間です」
「水谷。…もうそんな時間?」
「はい」
これから僕の王子就任式が始まる。
実質もう王子なんだけど、一応カタチだけの式。
でもこれで僕も正式に王子になる。


