そこから出てきたのは、
「よぉ游人、久しぶりやな」
「颯兄!!」
待ちに待った(←もう面倒だからこれでいいや)お兄様だった。
「颯兄っ」
「おわっ!」
僕は思わず颯兄に抱き着く。本当に久しぶりだから。
「クスクス。游くんはホントに颯人のこと好きね」
「みさ姉!!」
颯兄の後ろからみさ姉が笑いながら出てくる。
僕はちょっと恥ずかしくなって颯兄から離れて、今度はみさ姉に抱き着……けなかった。
「ちょっと……颯兄何するの?」
「アホか。誰が美咲に抱き着かせるか!美咲を抱き締めて良いのは俺だけや」
「前までは良かったじゃん!!」
「お前が10歳の時やろっ!」


