そんな時、ふと視線を感じて顔をあげた。
その瞬間、どきっと胸が高鳴った。
頬杖をついて、じっとあたしを見つめる暁くんと目が合ったから。
眩しいものでも見るかのように細められた目元も、柔らかく微笑む口元も優しげで。
これが少女マンガのワンシーンだったなら、間違いなく暁くんの背景にはキラキラとしたものが描かれていたと思う。
あまりにも綺麗すぎる表情を向けられ、思わずパスタを噛まずに丸のみしてしまった。
な、なんだろう…
「あぁ、ごめんね。気になる?」
いや…、うん…。
普通なるよね?
そんなじっと見られたら。
あたしが困ってるのを見て、暁くんはにっこりと笑った。
「柚が、あんまりにも美味しそうに食べるものだから。可愛いなぁと思って。」
かっ、かかか、可愛いっ!?
あたしは言われただけで一瞬で全身の血が沸騰したというのに、言った本人は照れるわけでもなく爽やかな微笑みを浮かべてさえいる。
相変わらず頬杖をついて、まっすぐあたしを見つめて。

