【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





それからしばらく暁くんと他愛ない話を続けた。



暁くんの話は楽しくて楽しくて。




あたしも自然と笑みをこぼしながら、ところどころ頷いて、笑って。




その繰り返しだった。




暁くんは大変かもしれない。



楽しくないかもしれない。




それでも今は、暁くんと一緒にいられる時間がすごく貴重で。




まるで宝石みたいにキラキラ輝いてて、ホントに幸せだった。




やがてやって来た、美味しそうなカルボナーラ。



暁くんのは、シーフードをたくさん使ったパスタだった。





「食べようか。」





にこりと暁くんは微笑み、あたしは口パクで“いただきます”と言った。




「どうぞ。」





カルボナーラは本当に美味しかった。




先ほどの遠慮はどこへやら。




お腹がすいていたあたしは、夢中でそれを食べた。





くるくるとパスタをフォークに絡め、口に運びモグモグと咀嚼する。





ヤバい、ホントに美味しい。




幸せ~っ




ほっぺたが落ちちゃいそうだよ。