「えーっと、じゃあ俺らも自己紹介。俺は、佐倉 愁生(サクラ シュウセイ)。担当はギターだけど、今はベース代理ね。」
最初に生真面目に挨拶をして入ってきた人は、ギターの佐倉 愁生さんというらしい。
あの、大人ですって感じの人だ。
あたしは、よろしくお願いしますと言う風に頭を下げて微笑んだ。
「んで、この眠そうなのがキーボードの倖浪 李織(ユキナミ イオリ)。」
入ってきて早々、欠伸をしていたあの人はキーボードの倖浪 李織さんと言うらしい。
よろしく、と呟くとまた大あくび。
別に目の下に隈とかはないけど、すっごく眠そうだ。
見た感じ、集団行動とか苦手そうなマイペースな感じの人。
「ごめんね。こいつ、こういうやつでさ。」
李織さんを見て、愁生さんは苦笑した。
あたしは、いいえーと手をふって微笑み返す。
「柚姫ちゃん、気にしてないみたいだよ。」
そんな時、隣で黙って成り行きを見ていた暁くんの代弁がすかさず入り、あたしは暁くんにありがとうと目で伝えた。