事情を聞き終えた暁くんの友達は、楽しげにあたしを眺めた。
「へぇ、柚姫ちゃんね。なるほど、確かに可愛いね。」
暁くんの友達に言われ、どうしたらいいかわからず苦笑いでやりとおす。
うああ…、暁くん、助けて…
「コラコラ、可愛いからってあんまりじろじろ見ない。柚姫ちゃん困ってるだろ」
暁くんはいつも絶妙なタイミングで助けてくれる。
そのことにホッとしつつ、いつもみたいにカバンからマグネットボードを取り出してコツコツと磁石のペンを走らせた。
“初めまして。此花 柚姫です。今日はお邪魔します。”
「うん、礼儀正しいんだね。いい子。」
にっこり笑って、ポンポンと優しく撫でられた頭。
この人たちも、全然あたしのこと変な目で見ない。
こんな挨拶の仕方でも、礼儀正しいって…。
どうしてこの人たちはこんなに、温かいのだろう…。