イギリス、ロンドン。
日本から約13時間で、ヒースロー空港に着く。
空港を出ると、すぐに迎えの車が来ているはずだった。
しかしそこにいたのは、オルドリッジの車などではなかった。
「(ハーイ、アキラ。少し話しましょう)」
婚約者、ジェシカだった。
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付近の自然公園へ立ち寄り、二人で歩く。
…ジェシーは、どうして俺がこの時間に空港に着くことを知っていたのだろう。
しかも、話って?
いつもの浮かれた雰囲気とはどこか違う気がした。
「貴方、日本に行ってたらしいわね」
「どこでそれを?」
「そんなのどうでもいいわ。何をしに、日本へ行ったのか答えなさい」
ジェシーの強気な口調に、仕方なく答える。
「…彼女と、会ってきた。」
「そうなの、それで?」
「すまない、ジェシー。」
「あら、なんの謝罪かしら」
「ジェシー、俺は君とはけっ…―――」
と言った瞬間、平手打ちが飛んできた。
「ああそう、よくわかったわ。貴方って意外とバカな男だったのね」
「ジェ……」
「結婚は破談よ、暁。」
「え?」
「貴方みたいな男に、もう興味ないの。だから、わたしが捨ててあげるわ」
ふんっ、とジェシーが強気に笑った。
「ジェシー…――」
「わたし、本当は気付いてたのよ。貴方が、誰を想っているか」
くるり、と背を向けた彼女はさっきとはうって変わって柔らかい口調で話し始めた。

