【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐






顔を水で洗うと、かなりスッキリした。




そのあと優輝ちゃんが、いつもよりも厚くメイクしてくれた。




「ヤバ。ごめん…。ちょっと、ケバくなった。」




優輝ちゃんの微妙な顔に、思わずあたしの表情も緩んだ。




「ま、いっか。暗いし、かえってこのくらいがちょうどいいよ」




優輝ちゃんも、ニコッと笑った。





一緒に校庭に行くと、すでに花火は始まっていた。




みんなでワイワイ、キャンプファイアを囲んで花火を楽しむ。



「あっ、優輝戻ってきた!」



「柚ちゃんも一緒じゃんっ」




真波ちゃん、麻佑ちゃん渚ちゃんが手招きしていた。



みんなに心配かけてしまったらしい。




「そうだ、優輝!美女コン、四位だったよ!」





えっ、すごい!!



おめでとう!と言おうと思って、優輝ちゃんの方を見ると、優輝ちゃんは予想に反して微妙な顔をしていた。





「うーん、四位かぁ…。ベスト3くらいには入りたかった」





えええっ!?





「うっわ、今女子全員を敵に回した。」



「つかいっぺんシバいてやろうか?」



「やったれやったれ。目にもの見せてやれ」





半分くらい本気な3人が面白くてクスクス笑っていると、みんなが一瞬ホッとしたような顔をした気がした。





「ってか柚ちゃん、笑ってるけど回答によっちゃアナタもシバくよ?」




えっ?なんであたしも?




横で優輝ちゃんがニヤリ、としたり顔をした。




「ははーん。やっぱりね」




えっ、だからな……








「柚ちゃん、8位にランクインでした!おめでとうっ!!」







は…?