「…柚。」
それまでボールをついて、じっとゴールを睨み付けて動かなかった暁くんが突然声を張り上げた。
そして、肩越しに振り返って凛とした声で言った。
「俺のカッコいいとこ、見てて」
その言葉に、何度も頷くと暁くんは不敵に笑った。
そして、なんの迷いもなくシュートを放った…―――。
…お願い、入って。
ぎゅっと手を握りしめて、その結果を見守った。
ボールは、一切ぶれることなく、丸い弧を描いて。
…ザン!
ゴールネットをくぐった。
…は、いった……?
途端に、割れんばかりの歓声が体育館を包み込んだ。
いつの間にか、ギャラリーが出来ていたらしい。
まさか入るとは思っていなかったらしい係りの人はぽかんとしていて。
暁くんがちらりと視線をやると、慌てて景品の準備をし始めた。
…暁くん。
汗を脱ぐって、暑そうにシャツの襟元をパタパタする。
そんな仕草もかっこよくて、見いってしまった。
そして、眩しい笑顔で振り返ってあたしにガッツポーズ。
すっごく嬉しそうな姿に、自然とあたしの口元も緩む。
自信、あったんじゃなかったの?
さっきまでの自信満々な姿とは対称的に、今は素で喜んでいて、その無邪気さがなんだか子供みたい。
ガッツポーズに手を振って返事をすると今度は照れ臭そうに笑った。

