【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





最後にやって来たのは、体育館だった。




「あ、フリースローだって。」



得点に応じて色んな景品が並べられていて、中でも一等賞は大きなウサギのぬいぐるみ。



淡いピンク色で、見るからにふわふわだ。




どうしよう。可愛い…




「一回どうですかー?ボールは3つまで。いかに外さずに遠くから入れられるかで得点が変わってきます。ちなみに一等賞は50ポイント!」




50ポイントくらいなら、取れるかな…?




「やりたいの?」




コクコクと頷く。




「見たところあの一等賞かな、狙いは。」



あ、またお見通しだ…。




「待ってるから、やっておいで。頑張って」




暁くんにも応援されてやる気満々のあたしは、見事一等賞を……




なんて、そんな甘いものじゃなかった。




結局ボール3つ使っても25ポイントが限界だった。




「…………」




ガックリと項垂れるあたしを係りの人が励ましてくれたけど、ちっとも気持ちは晴れない。




なんでも、50ポイント取った人はまだいないんだって。




バスケ部員でも取れるか怪しいとか言ってた。



そんなの、無理じゃん。




「お疲れ様。」



暁くんを待たせた上、景品はうま○棒セットだなんて。




「そんなに欲しかったの?ぬいぐるみ」



すっごく欲しかった!



けど、あれは無理。



係りの人の悪意を感じる。




「…んー、じゃあ取ってあげようか?」



え?



暁くんは、軽く笑って言った。