【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





うわぁすごいすごい!!



「これ、イギリスの家のシェフが持ってけって作ってくれたんだよ。こんなに食べれないから困ってたところだったんだ」



た、確かに…



とても1人で食べきれる量じゃない。



3、4人前はあるんじゃないだろうか。




「イギリス料理は美味しくないけど、こういうケーキは美味しいんだよ。」




ニッコリと微笑んで、お皿に二つほど取り分けてくれた。




あたしはたくさんある中からアップルティーを選び、室内はあっという間にアフタヌーンティーのような雰囲気になった。




暁くんはいつの間にかメモ帳とペンも持ってきてくれていて、あたしは遠慮なく借りさせてもらった。




“本当の英国のアフタヌーンティーみたいで楽しい”




「だね。どうせならティースタンド借りてくればよかった。」



ティースタンドって、確か3段くらいのトレイで、よくケーキなんか乗せてるやつだよね?




確かにそれあった方が本当のアフタヌーンティーみたい。




「今度は借りてくるよ」




少なくともその時までは、まだ居てくれるってことだよね?



暁くんのその言葉を、信じようと思った。









結局、あたしはケーキを6つほど平らげ満腹と疲れからいつの間にか夢の中にいた。