【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐






「…うん、いいよ。」




へ…?




文章を読み終えたらしい暁くんは、にこりと微笑みかけた。




ちなみにあたしが打った文章は…




“今、ものすごーくチョコアイスが食べたい!あの、ちょっと離れた○○ビルの隣のコンビニに売ってるやつ!!あと、そこのコンビニのロールケーキも。無性に食べたいです!!今すぐ食べないと失神しちゃうかも!!”





…このかなり突然なお願いを、暁くんは笑顔で、その上二つ返事で承諾してくれた。





嫌そうな顔をされるかな、とかなり覚悟を決めていただけあって、あまりにあっさりと承諾されては拍子抜けだ。





“ホントにいいの?”





「もちろん。チョコアイスとロールケーキだけでいいの?」





“はい…。”




「ちょっと待っててね、すぐ買ってくるから。」






最後にふわり、と微笑んだ暁くんは鼻歌混じりにリコールを出た。





…いや、まさか即答されるなんて夢にも思わなかった。





ごめんなさい、暁くん…。





暁くんがいない隙に、急いでみんなに誕生日のことを伝えた。




そしたら、やっぱりみんなは知らなかったみたい。




聞いても、忘れたってとぼけるんだって。



だからみんなでサプライズパーティーやろうって言ったら、予想以上にみんな乗り気だった。



そういう訳で、来週の木曜日はみんなでパーティーをすることに。





ラッキーなことに、原田さんもその日の前日に帰ってきて、お店も定休日。





だから、ここでやろうってことになった。