【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐

























………………え?





暁くんが運転する車の中。




一緒に後部座席に座っている沙夜ちゃんの言った言葉を理解するのに、思わずフリーズしてしまったあたし。





い、今、なんて…?





「ユズ?どうしたデスカ?」





怪訝そうにあたしの顔を覗き込む沙夜ちゃんまでもが、もはや認識出来ない。





ちょ、ちょっと待って。話を整理しよう…!!







沙夜ちゃんと和解したそのあと、暁くんの車に乗ってライブハウス、リコールに向かっていたのだけど…。





その途中、あたしは優輝ちゃんに言われたことを思いだし、思い切って恋人同士なのかどうか尋ねたのだった。





そしたら沙夜ちゃんはきょとんとして、例の爆弾を投下してきた。








「…ハイ?アキラはMy brotherデスヨ?」






まい、ぶらざー…?




マイ ブラザーって、それって…。











…兄妹!!!?















「まさかアキラとワタシ、コイビトおもてたデスカ!?」





あたしがようやく理解した瞬間、沙夜ちゃんは吹き出してお腹を抱えて大爆笑した。




わっ、笑われた…!!




その笑いっぷりに、少しへこむ。





「あはははははっ!ユズ…っサイコーです…っ!サヨとアキラが…コイビ…っ!あはははははっ」





そ、そんなに笑わなくても…





「…沙夜。笑いすぎ。」




困っていると、沙夜ちゃんの笑い声を遮るように暁くんの凛とした声が響く。





「それに、なんで俺が恋人だったらそんなに可笑しいの。」